すき

優しい人たちの　さりげない誘いを
‘×’と大きく腕で書いた　少し笑った

‘心に穴が開く’ってこと　分かった気がした
妙にぴったりで　また　笑った

すき････････

帰り道のことは　何も覚えてなかった
ドアを開けたままで　バスタブにうずくまった

甘い愛の歌ばかりが　FMから聞こえる
‘ちょっと失敗’　つぶやいて　また　笑った

抱いた膝に　次々にこぼれるしずく
そうか　私ずっと泣きたかったんだ

すき　　　すき　　　すき
・・・すき　・・・すき　・・・すき

すき・・・・・・・・・・

結局水曜にも会いに行って、金曜も少し早く家を出て仕事前に寄ってみた。

週に一度の掃除タイムが行われていて部屋中のゴミがひっくりかえって端から片付けていたのだけど。

日曜に出かけよう、って話になってて、その話もしたかったんだけどｼﾞｬﾏにならないようにソファにちょこっと座っててきぱき動く様を眺めて過ごした。

店ではアタシを「かずし」と呼ぶかわいい女の子の指名客の連れに着き、何故か彼女が「腕相撲しよう」と言い出したのでここぞとばかりに「じゃぁ勝ったらボジョレーね♪」と流れを作って結局2本空けました。

彼女がそんなに飲めるわけではなく、アタシが着いた人もワインが苦手ということだったのでアタシと彼女指名の人で殆ど空けたことになる。

そんな今年のボジョレーは、思春期の女子中学生でした(笑)

女の子らしく数人で誰に恋してる、って話をしてキャーキャー言ってる子、ではなく、それを傍から見て「そんなひけらかすもんじゃないわ」って静かに眺めながら心の中では燃え上がる恋をしている女の子。

そんな、飲み口さらりで後からキュっとくる甘酸っぱさなボジョレー。

どうやらセブンイレブンで買える花柄のやつと同じっぽかったです。

何種類かあるのよね。

そんでかなりいい気分で酔っ払って、でもあんまりフラフラなのを店長とかに見られるとまた怒られっちゃうので（-_-;）極力普通にしつつ、「お疲れ様でーす」とか言ってエレベータを降り、ふらつく足取りでやっぱり会いに行ってしまったのでした(笑)

下に自転車を置いておくと気にして途中で抜けてきちゃうからわかんないように、と思って歩いて行ったつもりだったんだけど、酔って爆睡してるアタシが目覚めた時には既にそこにいて、「一応見に来たらいたから」と毛布も掛けなおしてくれた様子ｗｗ

「ボジョレー2本空けたの♪」

「んで飲みすぎ？」

「美味しかったよ～」

「あぁそう(笑)」

6時半に一度揺り起こされたのだが体が重く、7時ぐらいになってようやく身体を起こすことができたのでうんうん呻きながらソファに座りなおした。

「酒抜けた？」

「うん。ごめん」

すすす、と彼がアタシの横で床に座ったままソファを背もたれにしてきたのですかさず後ろから抱き着いて、「すき」とほっぺたをくっつける。

「あのね、キライじゃないよ。多分好きなんだと思うよ、でなきゃこんなことしないし」

と後ろから抱くあたしの手を握って上下、上下と揺らす(笑)

「うん、でもあんま言うとダメなんでしょ、嘘っぽくなっちゃうっていうか」

「うん。･･･････結構甘えんぼさんだよね？」

「ふふふ」

でもイヤだ、とかは言わないでくれる。

「あんまりね、手つないで歩いたりとかも、したくないの、恥ずかしいから(笑)」

「でもこないだしてくれたじゃん」

「うん、ほんとは恥ずかしいからしたくないの」

「(笑)うん」

でもきっと、アタシがしたがったらしてくれる、あのゆるい手の繋ぎ方で(笑)

「あ、あのメールは頂けなかったよ」

「え？いつ？」

「おやすみー、の絵文字。２ちゃんみたいで、イヤだな」

「んー？顔文字？２ちゃんみたい？」

「そう、キライなのよ２ちゃんみたいなやつ」


『おやすみ～(*´∀｀)ﾉ☆』←コレかｗｗｗ


「(笑)わかった」

「前のね、好き嫌い多いってメールも頂けなかったね」

「あー(笑)あれはちょっと怒ってるな、って思った」

「人にメールなんて見せたことないのに思わずピーちゃんに『ちょっと見てよ』って見せちゃったもんね、この食べっぷりがいいと言われる品川さんに向かって好き嫌い多いって、そんな知らないのに」

「だって肉キライとか色々言ってたからごめーん。だから怒ってるな～と思ってしばらく連絡しなかったし、なかったし」

「もう（連絡）しない、って思って」

「制裁？(笑)」

「そう、どうせだから皆同罪、連帯責任だー、って全員着拒(笑)んでそろそろいいかなー、ってメールしたら」

「ナイスタイミングだったね(笑)」

「そう、誕生日だし」

そのタイミングがめちゃめちゃ嬉しい。

ぐりぐり、ほっぺたを押し付けて嬉しいアピール(笑)

「うん、ちょっと近づいたね」

「うん」

「オレばっかでそっちは全然わかんないけど」

「えー、だって話すことないもん」

「別にいんだけど(笑)」

「うーん」

「ちょっとずつ、近づいていこう」

「うん」

子供の話はリアルすぎてあまり喜ばないし、元旦那とか前の男の話なんて全然嬉しくないだろうし、きっとアタシ自身のことを話せばいいんだろうけど、どう話せばいいのかわからない。

「あのね、品川君はあたしの気力のモトなの。仕事いっぱいして疲れてても、あたし気力があれば大丈夫だから、その気力のモトが、品川君なの」

だから、どんな品川君でもいい。

アニヲタでも、知らない声優の音楽聴いたりポスター貼ってあったり、童顔巨乳のフィギュアが並んでたり、飲んだくれて金が尽きて給料前に「腹減った～」って連絡してきたり、普通に比べたら変わってるとこいっぱいあるのかもしれないけど、品川君は品川君だから、どんなでもいい。

「ちょっとずつ近づいていこう」って考えて、言ってくれる品川君なら後はなんでもいい。

だから、アタシから言えるのはすごくすきなんだよ、ってことだけ。

あとは、何て言ったらいい？





一緒にいて楽しいアタシにならなきゃ、って思う分だけ、空回りする。