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そうた と ゆうた は きょうだいです。
まいにち けんかを するけれど、 まいにち いっしょに ねむります。

あるひ、テレビを みていた ゆうたが ききました。

「きょうはなんにち?」

「5がつの8!」
ゲームを していた そうた が いいました。

「あしただね ママの たんじょうび」
「あっ そっか!」
「プレゼント なにあげる?」
「ママ なにがほしいのかなぁ」
「きいてみる?」
「ダメだよ、びっくりさせようよ!」
「うん そうしよう!」

ふたりは じぶんの ちょきんばこを もってきて、じゃらじゃらっ と おかねをだすと そうたが かぞえました。

「952えん!」
「おかねもちだね!」
「ぜんぜん おかねもち じゃないよ! ゲームそふと かえないもん」
「プレゼント かえるかなぁ」
「みにいってみよう!」
「いってみよう!」

そうたは おかねを おさいふにしまって、ゆうたは リュックに そうたのゲームと うわぎをしまって くつをはきました。

「どっかいくのー?」

だいどころから おかあさんの こえがします。

「うん!ママのプレ・・」
「ダメ!!!いっちゃダメだってば!!」
「あ、そっか」
うっかり いいそうになった ゆうたを そうたが とめました。

「ママのなにー?」
「なんでもない! あそびに いってきまーす」
「ふーん?きをつけるのよー」
「はーい」

ふたりは ドアをしめて じてんしゃにのると おかあさんと いったことのある おおきなおみせに むかいました。
とちゅうで おともだちに あいましたが、「どこいくの?」と きかれても 「ひみつ!」と こたえて ふたりで くすくす わらいました。

おかあさんと いっしょにいくと あっというまに ついてしまう おみせも、 ふたりだと なかなか つきません。
とちゅうで みつけた おともだちと きたことのある こうえんで きゅうけいしよう と じてんしゃをとめると すべりだいや ぶらんこに むちゅうになってしまいました。

「おれ のどがかわいた」
「おれも」
ゆうたが いうと つられて そうたも いいました。
そうたは おさいふをだして、 こうえんの はじっこにある じどうはんばいきで ジュースを かうことに しました。

「おれ ぶどうジュースがいい」
「やだ! おれ コーラにする」
そうたは おかねをいれると すばやく コーラのボタンを おしました。
でてきたコーラを おいしそうに ごくごくのんで ゆうたに あげようと しません。

「おれにも のませてよ!」
「しょうがないなぁ」
そうたは じどうはんばいきに おかねをいれて ぶどうジュースを かってあげました。

「ありがと!」
ゆうたは やっとのめる、と うれしそうに ジュースを のみました。

「あーあ あと712えんに なっちゃった」
「なにが かえる?」
「しらない!」

のみおわった ジュースのかん を ごみばこにすてると そうたは じてんしゃに のりました。
「まってよー」
あわてて のみかけの ジュースを かごにいれて ゆうたも じてんしゃに のります。

ふたりは また おおきなおみせに むかいます。

おおきな おみせに いくためには とてもおおきな どうろを わたらなければ なりません。
おおきな どうろには おおきな ほどうきょうが かかっています。

「ここ ママときたことある!」
ゆうたは うれしそうに いいます。

そうたが ボタンをおして ほどうきょうにのぼる エレベータを よびました。
エレベータからは そとがみえます。
ぐんぐんのぼる エレベータに ふたりは わくわくしました。

「たかいね!」
「ひとが ちいさくみえる!」

ふたりは ほどうきょうから みえる おおきなどうろを とおるひとや くるまに てをふったり こえをあげたりしました。
おひさまは かたむいて だんだん おれんじいろに なっています。

「もう ゆうがたかなぁ」
「まだあかるいから だいじょうぶだよ!」
そうたは おりるエレベータの ボタンをおしました。

ふたりは だれもいない エレベータに じてんしゃをひいて のりこみました。

あたりは いつのまにか しずまりかえっていたのに きづかないまま…。











*** *** *** 









エレベータをおりると あたりはすっかり くらくなっていました。

「あれぇ?もうよるになっちゃった」
「はやくしないと ママにおこられちゃうよ」

しんぱいそうに あたりをみまわす ゆうたをせかして そうたは じてんしゃにのりました。

「まって!」
ゆうたが あわてて じてんしゃにまたがると、きゅうに つよいかぜが ふきつけてきました。

ざぁーーーーーーーっ

「うわっ」
たおれそうになった そうたが あわててじてんしゃを おりると ゆうたも じてんしゃにしがみついています。

ごごごごごごごご

ごぉーーーーーーーっ

ものすごい じひびきと うなりごえのようなものが きこえてきたので ふたりは おとのするほうを ふりかえりました。

「あっ!!」
「あれは…」

ふたりは かおをみあわせると あわてて ゆうたのリュックから ゲームをとりだして でんげんをいれました。
いつもふたりで あそんでいるゲームに でてくるボスが すぐそこにいます。

「すっげー!!」
「でけー!!!」

『キングドラゴンだ!!』

かんせいをあげる ふたりのめのまえで ドラゴンは しっぽをふると どうろにならぶ くるまを はねとばしました。

「うわ!!ふっとんだ!!」
「こっちにくるよ?!!」

ゲームをてにもったまま そうたはじてんしゃを こぎました。
ゆうたも それにつづこうと ペダルをふみましたが からまわりして うまくこげません。

「まってよ そうた!!」
「はやくしろよ!」

ドラゴンは くうちゅうを ゆうがにおよぎ おたけびをあげると くるりとしっぽをふり ほどうきょうを どかーん! と こわしてしまいました。

「うわぁっ!!」
はじけとんでくる ほどうきょうの かけらをよけようとして ゆうたは じてんしゃごと たおれてしまいました。

「ゆうた!!…いてっ!」
たおれたゆうたに かけよろうとした そうたは かけらに あたってしまいました。

「そうた!だいじょうぶ?!」
ゆうたは そうたのもとへ かけよります。

「うう・・・いたいよぅ・・・」
かけらのあたった かたをかばうように うずくまったまま そうたは いまにも なきそうでした。

「そうた、なくなよ! もう2ねんせいだろ!」
「うるさいな! ないてないよ!」

そうたは なみだを ぐっとこらえて ゆうたをにらむと ドラゴンを にらみつけました。

「おおボスだから たおすのむずかしいんだよな!」
「そうた たおしたことあるじゃん!」
「あいつは ほのおタイプなんだよな」
「どのわざ つかう?」

ふたりは ゲームきを そうさしながら たたかうわざを えらびました。
ドラゴンは そこらじゅうに ほのおを はきちらしています。

「ほのおタイプだから アクアスクリューだ!!」
そうたが こうげきの けっていをしました。

ざざざざぁーーーーーー!!!

うしろのほうから つなみのような みずのたつまきが ドラゴンを おそいます。
おたけびを あげて ドラゴンは たつまきに まかれましたが うずをまきちらして ふっかつしてしまいます。

ギァアアーーーーーーー

おおきな さけびごえをあげると ドラゴンは ひばしらのような ほのおを ふきつけてきました。

「にげろ!!」
ふたりは ぜんそくりょくで ちかくにあった くるまのかげに かくれます。
ドラゴンのほのおに やかれたくるまは くろこげになって ボン!と ばくはつしたので ふたりは ふきとばされてしまいました。

「うわぁっ!」
「あっちぃ!!」

ふくのはじっこが すこしこげて いやなにおいが します。
はんそでを きていた そうたは かたがやぶれ ひじがすりむけて しまいました。

「きいてないのかな?」
「もっと こうかがあるやつじゃなきゃ」
そうたは ひっしに わざを リストから さがします。

「みずがだめなら こおりだ!」
「アイスハンマー?!」
「あたり!」

ふたりは かおをみあわせて にやりとすると そうたが けっていボタンを おしました。

ずどーーーーーん

そらから おおきなおおきな こおりのハンマーが ドラゴンを たたきおとします。
ドラゴンは どうろに たたきつけられて ひめいを あげました。

ゲームがめんでは ドラゴンのたいりょくが いっきにへりました。

「やったぁ!こうかばつぐんだ!」

そうたが おもわず たちあがって ガッツポーズをすると ゆらり と うかんだドラゴンが おおきく くちを あけました。

「あっ!!」

ゆうたが こえをあげると ドラゴンは すごいスピードで ちかづいてきて そうたは あっというまに つれていかれて しまいました。

「うわぁ!!!」
おもわず てをはなした そうたのゲームを ゆうたが うけとります。
「そうた!!!」

ドラゴンの きばは そうたのあしを つきさしているみたいでした。

「そうた!! そうた!!!」

ゲームを にぎりしめ けんめいにさけぶ ゆうたに そうたは ちからをふりしぼって いいました。

「ゆうた・・・とどめを さすんだ・・・」
「えぇ! なににする?!」
「・・・とどめ・・だ・・・」
「そうた?! そうた!! おれ わかんないよ!!」

そうたは ぐったりと ドラゴンのくちで なすがままに なってしまいました。

「そうた・・・そうたが しんじゃうよ・・・どうすればいいんだよ・・」
なきべそを かきながら ゆうたは けんめいに わざリストを さがしました。

ばくはつした くるまは ごうごうと ほのおを あげています。

「どうしよう・・・どうしよう・・・」
ゆうたは いろんなわざを みましたが どれも かまれている そうたに あたってしまいそうです。

リストのさいごのほうで ゆうたは 「あっ」と てをとめました。

「これだ!」

ゆうたは ドラゴンをにらみつけながら そのわざの けっていボタンを おしました。

ブワンっ

いっしゅん まぶしくて まえがみえないぐらいの ひかりがまたたき ゆうたのてには きんいろにかがやく おおきな けんが にぎられていました。

「へっへっへーんだ! おにさーんこーちら!!」
ゆうたは あっかんべー、とやると どうろを いちもくさんに はしりだしました。

グォオァアアーー

ドラゴンは また おおきなくちをあけてさけび そのひょうしに そうたが ふりおとされました。

「いってぇ・・・・・」
どうろに おとされたそうたは もう いたくて うごけません。

「そうた! みてて!!」

ゆうたは はしって そのさきにあった くるまにのぼると おおきなくちをあけて むかってくるドラゴンに むきあいました。

ゴォオオオーーーーッ

ほのおを はきだして むかってくるドラゴンの あついくうきが かかったところで ゆうたは ちからいっぱい ジャンプしました。

「わだつみの けんーーー!!!」

おおきなこえで もう こわくて めをつぶったままでしたが ゆうたは けんを おおきくふりました。

ギャァアアアーーー

ドラゴンが おおきなこえで さけび ゆうたをふりはらって くるしそうに もがきました。
ふきとばされた ゆうたは うえこみに なげだされて それほどいたくなくて すみました。

ドラゴンは くうちゅうで じたばたと もがいたあと ささったけんを ふりはらってとると そらのかなたへ きえていきました。
ふりはらわれた けんは どうろにおちると おれてしまい いっしょに かがやくなにかが おちてきました。

「はー・・いたかったぁ・・・」
ゆうたは そろりとたちあがると おれたけんを みにいきました。

おれたけんと いっしょにおちてきた かがやくものは どうやら ドラゴンの うろこみたいです。
「やったぁ!アイテムゲットだ!」

ゆうたは うろこをにぎりしめて そうたのもとへ かけより うずくまる そうたを ひきずりおこして それをみせました。

「そうた! アイテムゲットしたぞ!」
「・・・すげぇ・・おれたち やったね」
「うん、おれと そうたで ボスをたおした!」
「ふたりで・・きょうりょくしたからだね・・」
「うん、つかれたね」

なんども やったね といいながら ふたりは つかれて だきあったまま ねむってしまいました。
きずだらけですが とても うれしそうに わらいながら。














「ぼくたち、どこいくの?」

しらないおばさんが そうたに ききました。

「え?・・・え??」

きょろきょろと あたりをみまわすと となりには おなじく めをこする ゆうたが いました。
どうやら ふたりは エレベータのなかで ねむってしまって いたようです。

「おれたち・・・ドラゴンたおしたんだよね?」
「うん! きょうりょくして たおしたんだよ!」

おもいだして こうふんしてきた ふたりは そうだ!やったんだ!と おおきなこえをあげました。

「ゲームでもしてたの?もうおそいから はやくおうちにかえりなさい」

おばさんは そういって こまったように ふたりをみつめて どこかへ いってしまいました。

「・・・・たたかったんだもん」
「うん、ごわーって ドラゴンが ほのおだして おれたち つぎつぎわざを だしたんだよね!」
「そうだよ! おれがアクアスクリューやって きかなかったから アイスハンマーで どかーん!てやったんだ」
「そんで そうたが ドラゴンに くわれちゃったんだよ」
「うん、でも おれ いたくない・・」
「ち でてない?」
「うん、どこも でてない」

ぱたぱた、と そうたは からだじゅうを さわって かくにんします。
ゆうたも そうたの うしろにまわって きずがないか かくにんしました。

「おれ、すごい いたかったのに」
「おれも ドラゴンにどかーんてつきとばされて きのとこにおちて いたかった」

ふたりは へんなかおをみあわせると どうじに 「あっ!」 と こえをあげました。

「アイテム!!」

ふたりがみつめる ゆうたの てのひらには きらきらかがやく ドラゴンのうろこが にぎりしめられていました。

「あった!!」
「アイテムだ!!」
「やっぱり ほんとだったんだ!」
「ママにみせなくっちゃ!」
「あっ じゃぁ ママに プレゼントしよう!」
「かわなくって すんだね!」
「ぼくたち ふたりで ゲットした たからものなんだよって いおう!」
「よろこぶかな?」
「どうかなぁ~。いいよ、かえろ!」
「うん、かえろ!」

ふたりは うれしくて たのしくて にこにこしながら かえりみちを いそぎました。

ゆうたが わすれずに しまった ゲームは でんげんがはいったままでした。




『ステージクリア!  キングドラゴンのうろこ ゲット!  きずな 100アップ!』 
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無題
投稿者: 蒼人 URL 2008/06/04 23:58 編集
たまに黄色い電気鼠が横切りましたが・・・w
絆とか繋がりのテーマっすね(≧ω≦)b
蒼>
投稿者: 紅 2008/06/05 09:36 編集
うんうん、電気鼠ね(笑)
まぁファンタジー初挑戦なんでこんなもんかな、とw

そうだねー、絆だね。
お子たちを見てるとすごい感じるからね~。
あたしの子供なのになんで?ってぐらい(笑)
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